山形県内陸地方民なら誰でも耳にし、口ずさめる人も多いであろう「花笠音頭」に登場する「めでためでたの若松様」こと鈴立山若松寺を訪ねた。またの名を若松観音。
不思議なのはこの若松様が全国の祝い唄に登場していること。それぞれの唄に登場する若松様はその地にある若松様ではなく、やはりこの天童市の若松観音のことらしい。一説によるとお伊勢参りの人がそこで聴いたよその国の民謡を持ち帰ったのが伝播の理由だとか。ちょっと誇らしい。
縁結びのご利益あらたかとのことだが、ここは若くして亡くなった子の彼岸での幸せを願う死後婚を描いた「むかさり絵馬」の奉納される貴重なお寺でもある。
むかさり絵馬のお寺を訪ねるのは村山市の小松沢観音に続き二寺目。
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車道の参道の入り口。

山形のどこでも見られる、神仏混淆石碑群。庚申塔に正(聖)観世音。

こちらは大神宮と金毘羅大権現。

左手には古参道もある。

苔生した低い欄干。



古参道、小さな渓流を小さな橋で渡った先には鳥居がある。

山の湧水がそのまま手水になっている素朴な手水舎。

夜念佛供養!夜行念仏の供養塔。


参道の杉の古木の足元にお地蔵さん。

でも車なのでこちらの参道を進む。


到着。鈴立山若松寺。天台宗のお寺で「れいりゅうざんじゃくしょうじ」と読むそうだ。約1300年前に行基が開山したという。県下に誇る古刹オブ古刹。最上三十三観音霊場の第一番札所である。


カタクリが咲いていた。春だ。

観音堂は国指定重要文化財。華美さのない素朴で質実なデザイン。スノーダンプが立て掛けてあるのが山形らしい。

御詠歌の奉納絵馬が見える。「かかるよに うまれあふみの わかまつや おいにもたのめ とこゑひとこゑ」。






観音堂の裏手にある鐘楼堂。


振り返ると意外にもこんなに高いところに来ていたのかと気づく。天童の市街地に葉山連峰、白飛びしてしまったが雪を冠した月山もよく見えた。

石仏や供養塔。


元三大師堂。



福満稲荷。

小さな祠だが台座の彫刻が可愛い。でも意匠がわからない・・・。

こちらはわかる。巻物と宝珠。


お地蔵さん群。

本坊。御朱印などはこちらでいただけるそうだ。

そして本坊には、近年供養されたむかさり絵馬。


地蔵堂。

子育て地蔵さんだった。

奉納されている絵馬に、子の健やかな成長を願う思いが込められている。

お腹の上に小さき人・・・?不思議な像だ。

最後に絵馬堂にお参りする。


二階建ての絵馬堂は昭和63年に建立されたそう。かつては観音堂を埋めていた古い絵馬がこちらに修復・整理され飾られていた。


帰り道の参道で見た山の神。山奥の霊場に神も仏も境無く混じっているさまは心地よい。

(2023.03.21)