三重県津市(2025年12月)
三重県で半日過ごすことになり、どこで時間を潰そうかと地図を見ていたら、津市のだいぶ南の方に伊勢本街道の宿場町である奥津(おきつ)という町が目に入った。
鈴鹿市から広域農道グリーンロードという快適な一般道をひたすら南下、後半の県道15号(久居美杉線)ではJR名松線とたまに並走、すれ違いが大変な箇所もちょっとだけビクつきながら到着した奥津はその名松線の終点駅だった。
駐車場があるかは定かではなかったが駅に観光案内所があるらしく、停められるのではないかと期待して行ってみると、この日12月7日はJR名松線は全線開業90周年記念イベントで、美杉小学校のグラウンドが臨時駐車場として開放されていた。なんてラッキー。なんてありがたい。
高台にある小学校から国道422号へ下りて奥津宿へ歩く。これがJR名松線の線路。


蒸気機関車の「踏切あり」に出会えると嬉しい。


奥津宿にお邪魔します。地図によるとこの部分は正確にはまだ伊勢本街道ではないようだ。大きなイベントがあるということで同じ方向へ歩く人が結構いた。

人の途切れた瞬間を見計らって撮る。

古い「ミヤタの自転車」の看板。

古い井戸ポンプがポツン。奥には崖。この街道は雲出川という谷川が流れていた。


横に掛けられた「ヂーエッチ號自転車」の看板。初めて見たブランド。検索しても判然とせず。だがとてもレトロ。

雲出川と宮城橋という橋が見えた。後であの橋も渡ってみる。

古い宿場町には古い酒蔵があらまほしきかな。しかし残念ながら2011年に廃業されていた。


地図によればここから伊勢本街道に合流する。
あのお宅には風雅なのれんが掛かっている。そうだ、ここ奥津宿には「のれん街」という二つ名があったのだった。

こちらにものれん。

立派なお蔵と重厚な扉。


味噌と醤油の看板。かつてのご家業だろうか。


JR奥津駅に向かう辻にあった大きなお店「ぬしや」さん。明治から昭和にかけて日用雑貨屋さんを営んでいたそう。

三重県の運営するサイト「まちかど博物館」によると看板は大正時代のものとのこと。

こちらにものれん。


ちょっと覗かせていただいたが、来客があったようでお邪魔そうだったので早々に退出した。

旧き奥津を偲ぶ看板類は一見の価値あり。





ぬしやさんの前にある石碑には「左 はせ新街道 平坦ナル車道ナリ」とあった。はせは初瀬、奈良県桜井市の初瀬だそう。

この碑の前にも古い看板が3つ。駅へ向かうこの辻はスクールバスも発着する奥津重要ポイントだったようだ。

JR奥津駅を覗いてみる。

こちらのお宅ものれんを掛けている。

タイルの美しいこちらは食堂だったようだ。

コカ・コーラの錆サビ看板。


駅の前に広々とした空き地。

「映画館跡」の看板。駅前に映画館があるなんて、大きな町だったのだろうと思う。

駅前ではイベントの準備中。


駅舎。人が多いので写していないが、右手には飲み物や食べ物を販売する屋台が連なってたくさんの人が歩いていた。駅舎の中でもイベント(歴史講演的な?)や鉄道模型の展示が行われていた様子。門外漢なのでここはそっと立ち去る。

再びぬしやさん前から散策再開。

黄色い漆喰のお屋敷。

「魚盛」さんというのれん。

その先も街道沿いに立派なお宅が並ぶ。のれんには屋号が記され、かつては商店だったようだ。



かつての商品のケースが今は素敵な趣向のケースになっているようだ。

菅公学生服の看板。


こちらは屋号の上に「旅籠」とある。




この空き地は銀行跡だそうだ。

初冬の色彩。



薬局だったようだ。サロンシップの看板。

反対側はサロンパスリニメント。リニメントというのは塗り薬一般を言うそうだ。



飾り瓦に「水」の文字。

こちらは「かぶと屋」さん。

このお宅のところで新しい車道が伊勢本街道を横切る。

その大きな道との交差点には旅館跡。「古里屋旅館」とある。

郵便局から先にも何軒か民家。


こちらのショーケースも素敵。

だがこの先民家もまばらになったので引き返す。

この交差点から見える川は街道と並走していた雲出川かと思ったら違った。伊勢地川というらしい。

また街道を戻る。さっきは見逃した風景が見える。


駅前の「ぬしや」さん前に戻ってきた。街道沿いに緩く弧を描き、駅前一等地で非常に立派で目を引く建物だ。

続く。
(2025.12.07)