飯坂温泉といえば福島の奥座敷、東北一円に名の知れた温泉地だったが、隣県に生まれ育ったとはいえ若い頃では温泉地に行くという機会もそうなく、近くて遠い場所だった。バブルは終わって団体旅行は衰退し、ここに限らずかつて大勢の客で賑わった大規模な温泉地はどこも代謝の時を迎えていると聞く。飯坂温泉もその一つだと言われて久しい。会社の忘年会なんかも行かなくなりましたしね、温泉。
駐車場に車を停め散策開始。

すずらんの街路灯。

「射的」の文字が温泉街らしい。

ケロちゃんとサトちゃんの共演。

また違う街路灯の通り。


ホテル聚楽!!ある世代以上の東北人ならきっとソウルに染みついている、マリリンモンロー風の女性が体をくねる「聚楽よ~ん」のCM。今も昔も飯坂温泉といえば思い出すホテル筆頭ではないだろうか。福島の地場のホテルかと思ったら他県にも展開されていたことを知ったのは大人になってから。

ラジウムたまご。

立派な煙出しの建物は醤油屋さんだった。


こちらの旅館は営業を休んでおられるか、やめてしまったか・・・。

七重石塔の台座にお供えもの・・・のようなそうではないような。

玄関の小さな台にも何かお供えのような、干からびてしまったような・・・寂しい。


デザインマンホールは飯坂温泉の元祖、鯖湖湯。


あの旅館もフェンスに囲まれている。


「川に面した室が空いて居ります」の文字通り、摺上川に面した極上の立地の旅館だが、残念だ。


老舗旅館やホテルならどこにでもあったこの「日観連」の看板。

その廃旅館の脇に架かる橋から摺上川を見下ろす。

旅館は川に面しており、往時はさぞやハイカラかつ麗しい温泉地だったろう。

調度や備品がそのままで、ある日忽然と廃旅館になってしまったよう。



崖のあの屋根はなんだろう。

上流。


高齢者福祉施設に転生を果たした建物もあった。それもありかもしれない。


ここも閉まっているのか・・・?


摺上川の崖の上から。



崖の中腹にある共同浴場のそば、薬師神社の小さなお社の脇に石碑の集まる一角があった。

洞の中にお地蔵さん。

崖の擁壁をくりぬいた祠もある。石碑石仏は左から己巳塔・吾妻大権現(さすが福島お膝元)・青麻大権現(宮城県角田市だそう)・廿三夜・甲子祖神・廿三夜。上の平べったい碑文が読めない・・・。


石碑群の向かい側。

向こう側の方が旅館が崖沿いにずらりだから、飲食店もありそう。

緑がゆっくり包んでいく。



夜これらの窓に明かりが灯ればさぞ美しいだろうと思う。

でもよくよく見ると窓枠がガタガタになっている階が・・・あの旅館も閉館してしまったのか。


摺上川沿いを離れて路地を歩く。こちらも閉まっている。切ない限りだ。

静かなお部屋が空いております、の文字が寂しい。


飯坂温泉前から見た摺上川。飯坂温泉駅ではお土産も買ったりしたが人が結構いたので外観は撮りそびれた。

駅からまっすぐ延びる湯沢通りを歩く。路面がちょっとした石畳調で、温泉街らしさがある。でもお天気も相俟って寂しい街角。お盆期間だから温泉客向けではない一般商店はお休みかもしれないが。

フォントがユニーク。



看板建築。

米沢ラーメンの文字に経済圏の近さを感じる。



かわいいイラスト!


三味線のお店!雅だ・・・。


立派な建物!案の定国の登録有形文化財。こちらは本館、江戸時代の建物だそう。

立派な観音開きの扉を備えた土蔵造り。

はす向かいのほりえや旅館さんも素敵な佇まい。

飯坂温泉発祥の地と伝わる鯖湖湯。銅板葺きでカーブした重厚な屋根が印象的な湯屋建築は1993年に往時の姿を再現し建てられたものだそう。

厳湯山常泉寺。温泉場に相応し過ぎるお名前。


東北は月待塔が多くて嬉しい。

かわいい飛び出し注意看板。

遠くにネコチャン。

事務所?住居?の一階にいろいろな店舗が入っている建物が印象的だった。


路地裏にも旅館の看板。

残照の飯坂温泉を後に、山を越えて地元へ。

(2022.08.12)